2012年02月17日 (金) | 編集 |
糖質制限食はすい臓の負担を和らげることができる食事療法でもあります。糖質を取る度に、すい臓が「インスリン」というホルモンを分泌しているからです。
朝昼晩と1日3食毎度毎度インスリンを出さなければならない環境というのは、すい臓にとってなかなか過酷な状況だと思います。
●インスリンとは
なぜインスリンが必要かといえば、血糖値を下げるためです。そして、各細胞にエネルギー源としてのブドウ糖を渡すためにも必要になります。
肝臓や筋肉に「グリコーゲン」としてブドウ糖を蓄えたり、ブドウ糖を「中性脂肪」に変換してエネルギー源として蓄える役割もあります。
これによって、血液中の糖分「血糖値」が下がっていきます。血糖値が高い状態は血管の内側の壁をリアルタイムに傷つけますから、インスリンで素早く処理することが必要なんです。
このインスリンは、すい臓の「ランゲルハンス島」という場所にある「β細胞」から分泌されているホルモンです。ランゲルハンス島という名前は、それを発見した人の名前からとられています。
赤血球や網膜など、ブドウ糖しか使えない細胞もあります。
インスリンは絶対必要なものです。歴史のほとんどが飢餓との戦いといわれる人類は、食べられるときにたくさん食べて、インスリンの脂肪を溜め込む作用を利用して生き延びてきました。
しかし、今はその仕組みによって糖尿病などの生活習慣病を発症する人がどんどん増えています。特に日本を始め先進国は食べ物には困らないような状態ですから、たくさん食べればその分使われない糖質は中性脂肪として蓄えられます。
このため、インスリンは「肥満ホルモン」とも呼ばれます。
●インスリン分泌が正常でなくなると
糖質を過剰にとっていると、インスリンの分泌量が少なくなったり、たくさん出てても効きが悪くなったりしてきます。
血液中の糖分をうまく処理できななくなるんですね。こうなると高血糖の状態が続き、ある一定量以上の数値になると、糖尿病であると診断されます。
糖質を取りすぎてすい臓を酷使するとインスリンの分泌も悪くなります。また、糖質を取りすぎて、インスリンによって脂肪細胞が溜まってくると、インスリンの効きが悪くなります。これを「インスリン抵抗性」といいます。
糖質を取る
↓
インスリンが出て脂肪に変換される
↓
脂肪からインスリンの効きを悪くする物質が出る
↓
インスリンが効きにくくなるので、すい臓がもっとインスリンを出す
↓
脂肪細胞がもっと溜まってまた効きが悪くなる
↓
すい臓がもっとインスリンを出す
糖質をたくさんとる食生活を送っているとこういう悪循環になっていきます。そしてすい臓はやがて疲れ果てて壊れてしまいます。「スルフォニル尿素薬」という、すい臓を刺激してインスリンの分泌を促すという薬があります。糖尿病でただでさえ疲れているすい臓をむりやり働かせているようで、ちょっと怖いなあと思ったりもします。
糖質をたくさんとってもそれだけ運動をすれば、インスリンをあまり必要とせずに糖質を処理できますが、現代人の少ない運動量ではなかなかそれも難しい状況ですよね。
昔の人が今よりもたくさんご飯を食べていても、現代のような病気にかからなかったのは、日常での運動量が圧倒的に多かったからだといわれます。
この高血糖の状態が続くと血管自体もダメージを受けますし、そのダメージから動脈硬化が起きて、心筋梗塞や脳梗塞に発展する危険性もあります。
毛細血管が障害を受ければ3大合併症といわれる、
・網膜症
・神経障害
・腎症
の心配もあります。
インスリン不足や抵抗性による、血糖値の急激な乱高下は精神の不安定にもつながるとの指摘もあります。糖尿病患者の場合、血糖値が上がってもすぐにインスリンがでないという人も多いといいます。
その場合、食後高血糖の状態が続いて血管内皮が傷害される上に、遅れて出たインスリンが必要以上に血糖値を下げてしまい「低血糖症」という状態になる場合もあります。これも精神的な不安定につながりそうです。
日本人を含むアジア人は、欧米人に比べて元々すい臓のインスリンを分泌する能力が弱いといわれます。その能力は約半分との意見もあります。
血糖値を上げるのはほぼ糖質だけといわれますから、やはり、ご飯や小麦粉製品などを主食として食べている現代人はより糖尿病になる危険性が高いといえますね。
スポンサードリンク
朝昼晩と1日3食毎度毎度インスリンを出さなければならない環境というのは、すい臓にとってなかなか過酷な状況だと思います。
●インスリンとは
なぜインスリンが必要かといえば、血糖値を下げるためです。そして、各細胞にエネルギー源としてのブドウ糖を渡すためにも必要になります。
肝臓や筋肉に「グリコーゲン」としてブドウ糖を蓄えたり、ブドウ糖を「中性脂肪」に変換してエネルギー源として蓄える役割もあります。
これによって、血液中の糖分「血糖値」が下がっていきます。血糖値が高い状態は血管の内側の壁をリアルタイムに傷つけますから、インスリンで素早く処理することが必要なんです。
このインスリンは、すい臓の「ランゲルハンス島」という場所にある「β細胞」から分泌されているホルモンです。ランゲルハンス島という名前は、それを発見した人の名前からとられています。
心臓の筋肉や骨格筋などは脂肪酸-ケトン体を主に使っていて、血糖値の上昇によりインスリンが放出されたときは、ブドウ糖専用の入り口(糖輸送体)が細胞の表面にでてきて中に取り入れていきます。膵臓は、アミラーゼなどの消化酵素を十二指腸内へ分泌する外分泌腺とランゲルハンス島からなるが、膵組織の90%以上は外分泌腺が占め、その中に、内分泌細胞の塊が島のように浮かんで存在している。発見者であるパウル・ランゲルハンスの名前からランゲルハンス島と命名された。(wikipedia-ランゲルハンス島より)
赤血球や網膜など、ブドウ糖しか使えない細胞もあります。
インスリンは絶対必要なものです。歴史のほとんどが飢餓との戦いといわれる人類は、食べられるときにたくさん食べて、インスリンの脂肪を溜め込む作用を利用して生き延びてきました。
しかし、今はその仕組みによって糖尿病などの生活習慣病を発症する人がどんどん増えています。特に日本を始め先進国は食べ物には困らないような状態ですから、たくさん食べればその分使われない糖質は中性脂肪として蓄えられます。
このため、インスリンは「肥満ホルモン」とも呼ばれます。
●インスリン分泌が正常でなくなると
糖質を過剰にとっていると、インスリンの分泌量が少なくなったり、たくさん出てても効きが悪くなったりしてきます。
血液中の糖分をうまく処理できななくなるんですね。こうなると高血糖の状態が続き、ある一定量以上の数値になると、糖尿病であると診断されます。
糖質を取りすぎてすい臓を酷使するとインスリンの分泌も悪くなります。また、糖質を取りすぎて、インスリンによって脂肪細胞が溜まってくると、インスリンの効きが悪くなります。これを「インスリン抵抗性」といいます。
糖質を取る
↓
インスリンが出て脂肪に変換される
↓
脂肪からインスリンの効きを悪くする物質が出る
↓
インスリンが効きにくくなるので、すい臓がもっとインスリンを出す
↓
脂肪細胞がもっと溜まってまた効きが悪くなる
↓
すい臓がもっとインスリンを出す
糖質をたくさんとる食生活を送っているとこういう悪循環になっていきます。そしてすい臓はやがて疲れ果てて壊れてしまいます。「スルフォニル尿素薬」という、すい臓を刺激してインスリンの分泌を促すという薬があります。糖尿病でただでさえ疲れているすい臓をむりやり働かせているようで、ちょっと怖いなあと思ったりもします。
糖質をたくさんとってもそれだけ運動をすれば、インスリンをあまり必要とせずに糖質を処理できますが、現代人の少ない運動量ではなかなかそれも難しい状況ですよね。
昔の人が今よりもたくさんご飯を食べていても、現代のような病気にかからなかったのは、日常での運動量が圧倒的に多かったからだといわれます。
この高血糖の状態が続くと血管自体もダメージを受けますし、そのダメージから動脈硬化が起きて、心筋梗塞や脳梗塞に発展する危険性もあります。
毛細血管が障害を受ければ3大合併症といわれる、
・網膜症
・神経障害
・腎症
の心配もあります。
インスリン不足や抵抗性による、血糖値の急激な乱高下は精神の不安定にもつながるとの指摘もあります。糖尿病患者の場合、血糖値が上がってもすぐにインスリンがでないという人も多いといいます。
その場合、食後高血糖の状態が続いて血管内皮が傷害される上に、遅れて出たインスリンが必要以上に血糖値を下げてしまい「低血糖症」という状態になる場合もあります。これも精神的な不安定につながりそうです。
日本人を含むアジア人は、欧米人に比べて元々すい臓のインスリンを分泌する能力が弱いといわれます。その能力は約半分との意見もあります。
血糖値を上げるのはほぼ糖質だけといわれますから、やはり、ご飯や小麦粉製品などを主食として食べている現代人はより糖尿病になる危険性が高いといえますね。
スポンサードリンク
| ホーム |